(ろ) 六勝寺・法勝寺
六勝寺
りくしょうじ
仏教を深く信仰した白河上皇にならい、八角九重塔のある法勝寺の建つ白河の地には、いずれも「勝」の字がつく6つの寺院が立て続けに建立されました。法勝寺と、尊勝寺(堀河天皇造営)、最勝寺(鳥羽天皇造営)、円勝寺(鳥羽天皇皇后待賢門院造営)、成勝寺(崇徳天皇造営)、延勝寺(近衛天皇造営)は、合わせて「六勝寺」と呼ばれました。京都盆地の出入り口の白河にあった巨大寺院群・六勝寺は、八角九重塔とともに、往来する人々に院政の権力と都の文化を見せつけるものでもあったでしょう。
白河街区図
平安時代院政期の白河の地。平安京の坊条制の区画にならっていました
六勝寺イメージパース 作画:梶川敏夫
寺院群には園地が設けられ、風光明媚な景色が広がっていたようです
法勝寺
ほっしょうじ
六勝寺のうち、白河天皇により承暦元(1077)年、最初に建てられた寺院で、六勝寺の中でも特に規模が大きかったようです。白河天皇自らが各法事や行事を行い、王法仏法相依や諸国除災、万民救済を担う国王としての正当性を示し、天皇の権威を強化したと伝わります。金堂には金色三丈二尺の本尊・胎蔵界大日如来像が、池の中島に建立された八角九重塔には金剛界の五智如来像が祀られ、両者で密教の両界曼荼羅を構成していたそうです。ほかには講堂、阿弥陀堂などの建物もありました。
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