花街と甘味
江戸時代に有力社寺の門前町として水茶屋を営業したのがルーツとされる花街にとって、甘味との関係は切っても切れないものがあります。花街で発達した甘味の文化は、京スイーツとして、現代も人気を集めます。
例えば、江戸・享保年間創業の老舗菓子店「鍵善良房」は、今も祇園の一角に暖簾を守り続けています。当店の代名詞といえる「くずきり」は、陶芸家・河合寛次郎や小説家・武者小路実篤といった文化人にも愛された逸品。そのほか、祇園甲部で夜のみ営業する「中村楼」の団子、祇園東にある「甘泉堂」のしるこ、「先斗町駿河屋」の水ようかんなど、花街には必ず名物の甘味が存在します。長年に渡り舞妓・芸妓からも愛されてきたその上品な味わいからは、花街の深い歴史を感じることができます。
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